ネイルサロン衛生管理士とは?資格取得のメリットや試験当日の流れ・更新手続きまで解説
「ネイルサロン衛生管理士ってどんな資格?」「ネイリストになるためは取得していた方がいいの?」このように、ネイルサロン衛生管理の資格について気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、NPO法人日本ネイリスト協会にて習得できる、ネイルサロン衛生管理士についてくわしく解説します。
資格を持っているとネイリストとして就職する時に活用でき、自宅で開業する時にはお客様に安心して来店してもらえます。ぜひ記事を参考にして、資格の取得を検討してみてください。
ネイルサロン衛生管理士とは
ネイルサロン衛生管理士は、JNA日本ネイリスト協会が定める「ネイルサロンにおける衛生管理自主基準」を理解していることを証明する資格です。
独立してサロンを開業したい時にはもちろん、ネイリストとして就職する時にも、役立つ資格の一つです。
衛生管理について正しい知識を持っていると示す資格
「ネイルサロン衛生管理士」は衛生管理について正しい知識を持ち、サロン内を清潔に保っていると示す資格です。
「当店は清潔感を重視したネイルサロンです」と口先だけで説明しても、どこか説得力に欠けてしまいますよね。
「そうは言っているけど本当に?」と半信半疑になるお客様もいるでしょう。
ですが、資格があればその事実を証明できます。
さらに高い権威性も同時にアピールできるため、サロン全体のイメージアップも期待できるでしょう。
独立(開業)を考えるネイリストは取得しておきたい資格
ネイルサロン衛生管理士の資格が制定される以前は、各サロンやネイリストが独自の判断に基づいて、衛生管理をおこなっていました。しかし、厚生労働省から「ネイルサロンにおける衛生管理」に関する指針が各自治体に出され、衛生管理をより一層徹底する動きが生まれます。
ネイルサロン衛生管理士の資格は、ネイルサービスを安全におこなうための講義をJNA日本ネイリスト協会で受けて合格した証です。この資格を持っていることで、お客様に安心・安全なネイルサービスを提供できます。
また、施術を受けるお客様から見ても、はじめて通うネイルサロンの衛生面は気になるところです。資格を取得時に合格証明書や認定バッジが配られるため、衛生管理を徹底していることをアピールできます。
この資格を習得したネイリストがいると安心材料になり、多くの人にとって通いやすいサロンになるでしょう◎
サロンで働くネイリストにも必要なの?
「独立する予定はないから、ネイルサロン衛生管理士の資格は必要ない」と思う人もいるでしょう。
ネイリストは、お客様が希望するネイルを提供し、喜んでもらうのが仕事です。一方で、安全な衛生管理が求められます。
衛生管理が整っている環境の方がお客様が安心して通うことができ、ネイリストも気持ちよく働けます。
→ネイル資格の種類を解説!ネイリストになるには資格は必要?独学でも取得できる?
ネイルサロン衛生管理士の資格を取るメリット
ネイルサロン衛生管理士の資格が、独立する時などに有利になることを説明しましたが、さらに、この資格にはうれしいメリットがあります◎
履歴書に書いて資格をアピールできる
ネイルサロン衛生管理士の資格は、2022年8月末時点で、86,000人以上の人が取得しています。就職を有利にするために資格を得た人ばかりではなく、ネイリストとしてさらに知識をつけたい思いから、試験に望んだ人もいるでしょう。
ネイルサロン衛生管理士の資格を取得していれば、信頼のおけるネイリストとしてアピールできます。就活の際に履歴書に記載してアピールしましょう。
参照元:JNA日本ネイリスト協会「ネイルサロン衛生管理士・取得者数」
JNA認定ネイルサロンになるには必須
NPO法人日本ネイリスト協会のJNA認定サロンになるためには、いくつかの条件があります。そのうちの一つが、店舗にネイルサロン衛生管理士がいることです。
そのため、各店舗に一人は、ネイルサロン衛生管理士の資格を取得したネイリストが必要になります。就職時だけでなく独立する時にも、この資格がとても役に立つことがわかりますね。
お客様から安心・信頼してもらえる
ネイルサロン衛生管理士の資格を取得する一番のメリットは、講習で得た知識を実践できることです。お客様が安心して施術を受けられ、お客様から信頼してもらえることともいえます。
そして、さらにネイルの技術により磨きをかけることで、ネイリストとしての次のスキルアップにもつながり、新しいお客様との出会いにも結びつくでしょう。
サロン開業(独立)の時に有利になる
独立開業したばかりの個人ネイルサロンは、集客力で頭を悩ませているケースも少なくありません。
独立する前から指名客をたくさん抱えているネイリストならまだしも、ゼロからのスタートだと足を運んでもらうための理由が必要です。
そこで有利に役立つのが「ネイルサロン衛生管理士」の資格です。
ネイルサロン衛生管理士の資格は、「サロンを清潔に保ち、衛生に関して十分な知識を理解している」という証明でもあります。
これからネイルサロンの独立開業を目指したいとお考えの方は、持っていて損のない資格です。ぜひ積極的に取得を目指してみましょう。
→ネイルスクールのJNA認定校とは?普通の学校との違いや通うメリットを紹介◎
ネイルサロン衛生管理士の取得は難しい?合格率は?
ネイルサロン衛生管理士の合格率は、発表されていません。
しかし、資格取得者の数は2022年9月末日の時点で86,548名にのぼります。
このことから、難易度はやさしく、合格率も比較的高いのではないかと予想されます。
試験問題は当日に講習で学んだ内容のみで構成されるため、特別な予習も不要です。
きちんと理解すればミスなく回答できる内容なので、気を張ることなくリラックスして試験に挑むとよいでしょう。
ただしネイルに関する基礎知識がないと講習の専門用語を理解できないこともあります。
ネイリストとしての基礎知識を深めるためには「JNECネイリスト技能検定」や「JNAジェルネイル技能検定」の受験をおすすめします。
【1日で取れる】ネイルサロン衛生管理士の資格取得方法
ネイルサロン衛生管理士の合格率は発表されていませんが、当日の講義をしっかりと聞いて理解できれば、難易度はそれほど高くないといわれています。
順を追って、ネイルサロン衛生管理士の習得方法を解説します。
受験資格
受験資格は18歳以上であることです。ネイルサロンでの経験などは問われないため、ネイリストの勉強を始めたばかりの人でも受験できます。
また、JNAの会員でない人も受験可能です。
受講場所
北海道から沖縄にあるJNA認定校にて実施されます。会場によって定員数に違いがあり、10名ほどで満席になる施設もあります。
JNA日本ネイリスト協会の公式サイトに開催される場所、日時、予約状況などが掲載されていますので、受講を検討している人は確認しておきましょう。
受験料
受講料は、JNA会員が6,160円(税込)、会員以外の人は10,560円(税込)です。受講料には、当日のテキスト代、認定証とバッジ交付手数料が含まれます。
参照:JNA日本ネイリスト協会
資格の申込み方法
申込みフォームが用意されており、必要事項を記入して手続きができます。JNA日本ネイリスト協会の公式サイトから日時と場所から講習場所を選択し、申込みフォームに進みましょう。
試験の開催スケジュール
月によって回数は異なりますが、毎月どこかの会場で実施されています。ただし、試験日の約3〜4週間前が申込みの締切りです。
また、締切り日前に定員になってしまうこともあるため、早めにスケジュールを確認しておきましょう◎
詳しいスケジュールは、以下の公式サイトを確認してください。
JNA日本ネイリスト協会「衛生管理JNA認定校セミナー」
【資格の有効期限】更新しないと失効してしまうことも
資格を取得した年を含めた3年目の12月末日までが、資格の有効期限です。例えば、2021年に合格した受講者全員の有効期限が、2023年12月末日です。
期限が切れる年の10月末日に、案内が送付されます。はがきにパスワードが記載されていますので、大切に保管しておきましょう◎
JNAの公式サイトに、更新手続きをする専用ページがあります。支払いはクレジットカード決済とコンビニでの支払いから選択できます。
認定書発行料と継続手続きの費用は、JNA正規会員が1,100円(税込)、JNA個人一般会員が2,200円(税込)、会員以外は3,300円(税込)です。
手続きが完了すると永続認定書がもらえ、2回目の更新手続きは必要ありません。
また、期限内に継続手続きができなかった際には、あらためて講習会に参加することになりますので注意しましょう。
ネイルサロン衛生管理士の試験について
当日の流れや講習で学ぶ内容、そして万が一試験で不合格になってしまった時にはどうなるのかを説明します◎
試験当日の流れ
当日会場にて、テキストが配布され、約3時間の理論講習を受けます。その後、確認テストがあり、時間は20分です。
その場でテストの採点がおこなわれ、解説や質疑応答の時間もあります。合否発表があり、合格者にはその場で、認定証とバッジが授与されます。
講習内容
講義内容は、正しい洗浄や消毒の仕方などの基本となるものから、消毒薬の種類、爪や皮膚の疾患、また万が一出血してしまった時の対処方法など多岐にわたります。
ネイリストとして学んでおきたいことばかりですね◎
確認テストは、20問あります。100点満点の択一方式で、80点以上が合格です。
不合格になった場合は補習を受講する
テストは筆記試験のみで、実技はありません。不合格になった場合には、その場で補習が受けられますので、肩の力を抜いて講習とテストに参加してください。
ネイリストになるために持っておきたい資格
ネイリストになるため、持っておきたいおすすめ資格は「JNECネイリスト技能検定」と「JNAジェルネイル技能検定」です。
いずれもネイル業界では認知度が高く、就職のアピールポイントとしても活用できるでしょう。
試験を主催するのは「ネイルサロン衛生管理士」と同じNPO法人日本ネイリスト協会です。
試験内容は「学科」と「実技」で構成されているため、ネイリストとしての基礎を身につけるのに最適です。
個人サロンの独立開業にはもちろん、今後のキャリアアップにも役立つでしょう。
ネイルサロン衛生管理士に関するよくある質問
ネイルサロン衛生管理士に関する質問にお答えしていきます。
Q. 認定証はいつもらえるの?
A. テストの採点は受験した会場で当日におこなわれます。合格者にはその場で、認定証とバッジが授与されます。
継続手続き時の認定証は申請後に送付されますので、手元に届くまでにひと月ほどかかります。いつでも手元に認定証をおけるように、早めの継続手続きをしておきたいですね。
Q. オンラインでも受講できるの?
A. オンラインでも受講できます。ただし、テキストや認定証の送付代がかかりますので、会場で受講するより料金が上がります。
各受験会場のページに、料金や準備するものの詳細が記載されています。会場によって異なることもあるため、受講したい各会場のサイトで確認していきましょう。
Q. 試験の過去問は購入できる?
A. 過去問題はありません。
テスト問題は、その日の講習内容から出題されます。そのため、緊張することもあるかと思いますが、当日の講義をしっかりと聞くと答えられる質問です。
なるべくリラックスして参加してください◎
Q. 認定証を紛失してしまったら?
A. 再発行の手続きを依頼しましょう。紛失した時だけではなく、破損してしまったり、名字が変わったりした時にも同じように再発行できます。
JNA事務局が「再認定証」の窓口です。再発行の手数料は1,100円(税込)で、手元に届くまでに1週間ほどかかります。
また、認定バッジの再発行は、原則行ってはいないようです。大切に保管しておきましょう。
衛生管理についての知識をつけて安心感のあるネイリストになろう
今回の記事では、ネイルサロン衛生管理士についてお伝えしてきました。
この資格があると独立をする時にもサロンに就職する時にも役立ちます。また、ネイリストとして接客をする上で、衛生管理の知識があるとお客様から受ける信頼までも変わってきます。
自信を持ってネイリストとして活躍、そして飛躍していくために、習得を目指してみてはいかがでしょうか。
→ネイルサロンは資格なしでも開業できる?未経験から独立する方法や知っておきたいポイントを紹介◎